これまでエンケラドスの南極にある割れ目から間欠泉のように水が噴き出す現象が観測されていたが、詳しい内部構造は不明だった。氷の海の下には岩石質の海底が広がっているとみられ、微生物などの生命に適した環境が存在する可能性もあるとチームはみている。
エンケラドスは直径約500キロ。表面温度は氷点下180度にもなる。チームは、土星を周回するカッシーニがエンケラドスの近くを通過する際に起こすわずかな軌道変化から重力の強さの変化を算出。それを基に氷の下の構造を推定した。南極付近の氷の厚さは30〜40キロで、その下に深さ数キロの水の層があり、岩石質の衛星本体まで続いていると結論付けた。
太陽系には同様に氷の下の海を持つ木星の衛星エウロパがあり、米航空宇宙局(NASA)などが生命環境の探査を構想している。
【用語解説】カッシーニ
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で開発した無人の大型土星探査機。1997年に打ち上げられ、2004年に土星に接近した。土星の周回軌道に乗り、高解像度の画像を送信しながら現在も探査を続けている。土星は太陽からかなり距離があるため太陽電池がうまく働かない。そのため、カッシーニにはプルトニウムを利用した電池を搭載している。
