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2014年01月30日

小泉純一郎 元首相 記者会見 脱原発・日中関係・靖国参拝《全文文字起こし》



司会:倉重篤郎(毎日新聞)

さて時間になりましたので始めたいと思います。
まずはですね、私自己紹介させていただきます。当クラブの企画委員会を
勤めております。毎日新聞の倉重篤郎と申します。

ちょっと若干今日のお話に至ったいきさつと言うのを簡単に述べさせていただきます。
小泉さんがですね。小泉さんによるともう2011年の3.11から一貫して
同じ発言をされているということなのですが。その小泉さんの発言がですね、
われわれの耳に届き始めて、あちこちで小泉さんのいろんな形での公演とかいうことで
小泉さんはこういう発言をされていると、原発ゼロ発言をされていると言うことを耳にしまして
そうであるならばですね、日本記者クラブでお話いただきたいということをお願いしたところ、
それはそれでいいと、しかし僕は講演をするんで質問は受けないよというお話でした。

で、私はちょっと考えましたけれどもそれでも小泉さんをここにお呼びする価値は
あるんじゃないかということでお願いいたしました。ただし、それだけでは私どもの
世界は済まないと思うんでですね。その代表質問も含めて一二問の質問はよろしいと
いう話は頂きました。

ということでですね、皆さん今日はですね、一時間半90分間。小泉さんが
原発だけではなくてですねそれぞれの政治課題について小泉さんのお話を頂いて、
その残りの時間90分の残りの時間でですね、代表質問+αと言う形でですね
望みたいと思います。

皆さん一人一人がほんとうに聞きたい話あると思うんですが、その辺はその趣旨を
頂いてですね、ご協力よろしくお願いいたします。
そしてあのこれだけの方が集まっています。今日は350人という今年最高の
参加者になります。で、終りました後ですね小泉さんが出られるまで、
ぜひですね、ご着席のままでいただくということで重ねてお願いいたします。
では小泉さんよろしくお願いいたします。

会見:小泉純一郎 元首相

会見に至るいきさつに関する話
ただいまご紹介いただきました小泉純一郎でございます。
本日はお招きいただきまして誠にありがとうございます。

ただいま倉重さんが話された通りなんですが、私は総理退任してから
テレビ出演も一切してないし、インタビューも全てお断りしてきたんです。

まあつい最近倉重さんが書かれた小泉政権1980日という
私の総理時代の記録を丹念に調べて、まあ回顧録じゃないんですけども
あの本贈っていただきまして、私拝見してですね、ああよくこれだけ
丁寧に調べてくれたなぁとあり難いことだなと、これだったらもう私も回顧録
書く必要ないなと思っておりましたところ、倉重さんから読んでくれましたかと、
実は記者クラブで話してくれませんかと言う、仲間に言われていると
そういうお話が倉重さんからあったんです。

で、特に毎日新聞のヤマダ記者が八月でしたかね。私のオンカロ視察の後
私の話をコラムで取り上げてくれました。
短い文章なんですがこれが実にうまく要点を取り上げてましたね。
あれからですよ。一斉にマスメディアが私に注目し出したのは。
ずっともうあの3.11の事故が起こってから似たような話してたんですよ。
私は今まで一切私の話に対して記者を入れてくれとか、
入れるなとか一言も言ったことありません。
主催者に全て任せているんです。そこに記者が来て何を書こうが勝手だったんですよ。

それまではあの毎日のヤマダ記者が書くまではそれは皆無視してたんですね。
であの毎日のヤマダ記者のコラムが出てからこれはもういろんな方からね、
インタビューの申し込みあってもうお断りするのも大変だなと思ってたところが、
倉重さんからまあどうせここで話せばもう取材受けなくていいじゃないですかと
いうお話で、それもそうかなと思って今日は喜んでやってまいりました。

ただし、記者会見っていうそれはね、もうしないよと。
まあしかし私の話を聞いて質問したい方もおられるだろうから、
まあ若干時間を残して1、2問受けますよと言う話で今日はやってまいりました。
で、まあ80分くらいいただけるという事ですので、原発だけでなく
時間があれば靖国問題とか日中関係、日米関係にもちょっと触れたいと思っています。

まあ最初に原発問題ですが、先月ですか。読売新聞が出した小泉原発ゼロ発言を批判
するっていうね、記事がありましたね。社説で私のゼロ発言を批判しておりましたから
この社説からあの批判に対して私はどういう意見を持ってるかというところから
始めたいと思います。

◆原発問題◆

読売社説に対する反論、その1 代案を示さない廃炉発言は無責任か

あの10月8日の読売社説、二、三、主な批判があるんですけれども
一つにはですね、小泉の原発ゼロ発言このゼロにしたあとどういう代案があるのかと、
代案を出さないでゼロ発言するのはこれは無責任である、あまりにも楽観的過ぎると
いう批判ですね。

しかしねこの原発問題は広くて大きくて深い問題ですよ。
国会議員だけで代案だそうたってなかなか出る問題じゃありません。
まして私一人がですねゼロと言う代案を出せなんて言ったってそれは不可能ですよ、
だから政治で一番大事なことは方針を示すことだと、原発ゼロだという方針を
政治が出せば、必ず知恵ある人がいい案を作ってくれると言うのが私の考えなんですよ。

内閣に原発ゼロに賛同する専門家、経産省文科省環境省と官僚も含めてですね、
識者を集めてゼロになった場合に何年かけてゼロにするのか、
その間(聞き取り難い)の再生可能エネルギーどういう風に促進し奨励していくのか、
あるいは原発を廃炉にする場合だって40年50年はかかるんでしょう。
廃炉をするためにも専門家が必要だ。そういう技術者と言うのをどういう風に確保していくか。
さらに原発ゼロなくなったあと地域の発展をどう考えるのか、原発ゼロの後
再生エネルギー、さまざまな雇用問題、原発に従事していた雇用問題をどうするか
そういう広範囲な問題が残ってるわけですよ。

こういう問題をね国会議員、一政党、一議員だけで出せるわけないじゃないですか。
だから専門家の知恵を借りてその結論を尊重して進めていくべきだというのは
私の考えなんです。

読売社説に対する反論、その2 燃料費高騰、CO2排出量増加への批判

またもう一つの批判はですね、原発ゼロにすれば火力発電とかさまざまな電源、
この調達のために輸入量が多くなって電気料金が上がると、CO2の排出量も多くなる
こういう批判ですね。

しかしね、日本の技術は時代の変化を読むのに非常に敏感ですよ。
つい最近も新日石に社長をしていたJXホールディングスと名前変えましたか
社長をしておられた渡さんね、今経団連の副会長されてるんですか。
渡さんとお会いして話したらね、もう数年以内に燃料電池車が実用化されると
うちはもうエネオスのスタンド、これをガソリンスタンドだけじゃなくて
水素供給スタンドを用意していると、電池自動車より早く燃料電池車が
実用化されるんじゃないか、自信を持って話されていましたね。

そうすればもう燃料電池車は水素と酸素、水ですからCO2出さないんですよ。
またトヨタにしてもホンダにしても日産にしても外国の自動車会社と
ハイブリッド電気自動車、必至に開発してるでしょう。
夜中に寝ているうちに充電出来る。ガソリンでもいい、あるいは電気でもいい。
もう様々な出来るだけCO2を出さないような自動車の開発が進んでますよ企業も。

LEDだってそうでしょう。省エネ技術。ここLED使ってないと思うんですけどね。
もう設置費は多少高くても電力省エネ観点からLEDがいいという、
このLEDを使う家庭が今白熱電灯を使う家庭よりトップになったでしょう。
日本の国民とは実に環境に協力的ですよ。企業も国民も。

私、先月清水建設を見学したんです。去年新しい本社に建て替えました。
地下三階地上22階ですか。100mくらいのビルですよ。
この新本社建設から1年ちょっと経ったんですけども、実に新本社になってから
旧本社に比べてCo2の排出量7割削減したっていうんですから、70%削減したって。
それは何故か、ビル、太陽光パネルを使っている、そして本社内、全てLEDを採用
している。太陽なりあがっていて、こう明るいと昼間、そうすると太陽光パネルで
LEDを使わなくても太陽光パネルだけで仕事が出来るほど明るい。
そして曇って暗くなってくるとそれに合わせてLEDの電球がついてくと
自然自動調節ですよ。
そして旧本社に比べて5割CO2の排出量を削減しようとしたところが
7割削減で来ちゃったっていうんですから、年間の排出量。

なおかつエアコン(たびたびエネコンと発音)今こうエアコンで冷房でも暖房でも
音がするでしょ。エアコンの風。それをエアコンを輻射熱によってどういう技術か
私よく分からないんですけども、説明してもらったけども。ともかく
音のしないエアコンを全社のビルにつけちゃった。音はしないんですよ。

夏は涼しくしようとしてこう会社でもですね、温度をさげようと強くする。
そうするとこのエアコンの風に当たった人は可哀想ですよ。足が寒くてしょうがない。
夏でもね冷房下げすぎるとひざかけしないと寒くてしょうがない、
女性は特に可哀想ですよね。
冬暑くしすぎると今度は上だけ暑くなっちゃう。暑いのは熱が上に行きますから。
足が寒いと。そのためにはもっと温度を上げなきゃいけない。
そういうのを無くしちゃって輻射熱で自動的に快適な温度をする
そういう装置を全社内に作っちゃったんですから。音がしなくなっちゃったんです
エアコンの。このビルは日本で始めてだろうといってましたね。

これからこの音のないエアコン、それやってから気づいたことがあるっていうんです。
なんだと言ったら今まではこのエアコンの風の音で騒音と言うのが入ってこなかったと、
外の。ところが、新本社になってエアコンで音がしないもんですから外の騒音が
入るようになっちゃったっていうくらい静かになっちゃったんです。
そういうビルをね、建てる技術を持ってるんですね。これ一例ですけども
いずれ新しいコンサートホールなんていうのは音のしないエアコンを導入するでしょうね。
この一つの例をとってもね、日本の技術力はたいしたもんですよ。

で、先日ですが日経新聞に出てましたね。三菱重工が石炭火力発電所の建設する際に、
この大気汚染を防止する技術を開発したっていう記事が出てましたね。
だから今後ね、原発をゼロにするそしてさまざまな再生エネルギー、水力でも、
あるいは太陽光でも、風力でも、地熱でも、原発建設に向けた費用をそっちに
振り向けていけばね、さまざまな代替エネルギーの開発が進んでいくと思いますよ。
その技術を日本企業は持っていると思いますね。またそういう企業に日本国民は
協力しますよ、積極的に。多少高くても。

まあドイツにも8月行って来ました。ドイツはもう原発ゼロ政策を進めてますけども。
太陽光、風力、バイオガス(発言のまま)とかやってますけどね。
現地に行って来たんですが、かなり大規模にやってるんだろうと思ったら
そんな大規模じゃないんですね。
太陽光とか風力、あるいはバイオマスの施設に行ってその担当者と話してきましたけども、
だいたい最初そういう会社を立ち上げるときは数名だったそうですよ。
お金がない、投資してくれる人がいない、ところがだんだんだんだん、
ああできるんだな、政府が原発ゼロ政策を進めて採算がとれるようになって、
だんだんだんだん人数を増やして大規模になってきたけども、だいたいが地産池消です。
地域の電力をまかなうために作ればいいんだと。だから風力にしても太陽光にしても
そんなに大規模じゃなくても地域の電力をまかなうことが出来るんだと。

バイオガスもですよ、牛の糞馬の糞まで電気に変えちゃってるんですから。
とうもろこしも食用おいしいのは食料用、おいしくないのは電力用に分けて作っていると。
そうすると残りかす、残滓がでますね。その残滓は地元の農家に上げると肥料に、
農業の肥料に与えちゃうと。まさに地産地消体制ですよ。日本だってこれは出来ますね。

廃材でもバイオエタノールに出来るんでしょう。ブラジルはもう数年前に行って
来ましたけども、サトウキビからバイオエタノール作ると。
町の中ではガソリンスタンドと一緒にバイオエタノール供給スタンドも一緒に
併設されていて一台の車がガソリン全部使ってもいいバイオエタノール全部使ってもいい、
混合してもいい混ぜてもいい。同じスタンドで供給できる、できてるんですから。
まあブラジルみたいにねサトウキビが大量に安くは出来ませんから日本はそのような
バイオエタノール増産大量生産できませんからそれは無理だと思いますけども
さまざまな知恵が出てくるじゃないかと思います。

現に太陽光は日が陰ればダメだよ、風力は風がやめばダメだよ、そう言ってましたけどね。
今太陽光にしても風力にしても、蓄電技術が開発されているじゃないですか。
陸上だけじゃない、洋上にもできると。地熱だって九州では地熱深く掘らなくて
あの蒸気で電気が起こせるって使ってるじゃないですか。
様々な規制がありますけども、そういう点においても環境に配慮した規制緩和をすれば
地熱だって広がっていきますよ。さまざまなそういう代替エネルギーは
国会議員だけじゃなくて専門家のあるいは発明家のいい知恵を借りて出していければ
今では想像できないような代替エネルギーが確保できるんじゃないかと思います。

読売社説に対する反論、その3 最終処分場の確保と政治のあり方

もう一つこれが一番の原発ゼロ批判の中心だと思うんですけれども
どう言ってるかといいますと、原発必要論者、推進論者はゴミの処分法は
所謂核の廃棄物ですね、まあごみと言いましょう通称。
核廃棄物の処分法は技術的に決着しているんだと問題は処分場が見つからないことなんだと。
ここまでは私と一緒なんですよ。ここからが必要論者と私の持論の違うところなんです。

ここから必要論者はどう言っているか。処分場の目処がつかないと言うそれは
目処をつけるのが政治の責任ではないかと、付けないのがいけないんだと。
これが必要論者の私は中心だと思うんです。
私は結論から言うと、これから日本においてですよ、核のゴミの処分場の目処を
付けれると思うほうが楽観的で無責任すぎると思いますよ。
すでに10年前から10年以上前から最終処分場の問題、技術的には決着しているんですよ。
それがなぜ10年以上かかって一つも見つけることが出来ないのか、事故の前からですよ。
政治の責任で進めようと思ったけれども出来なかったんじゃないですか。
それを事故の後これから政治の責任でみつけなさいというのが必要論者の主張ですよ。
この方がよっぽど楽観的で無責任だと思いますよ。

フィンランドのオンカロ行きましたよ私は。世界で唯一、原発から出る核の廃棄物を
処分する場所ですよ。オンカロというのはフィンランド語で洞窟とか隠れ家とか
いろいろあるようですけども。ともかく核廃棄物を最終処分するために作られた地下ですよ。
それもフィンランドというのは岩盤で出来ている国ですよ。もう道路を通ると分かりますね。
地下掘らなくてもトンネルがもう岩盤ですよ。岩盤をくりぬいて道路を作っている。

オンカロに付くまでに首都ヘルシンキから飛行機で5、60分乗って行くんですよ飛行機で。
200キロ以上あるんですから離れている。5、60分かけて飛行機に乗って、
飛行場から今度は海岸に出て海岸から船で10分か20分。
島に着く、その島の中に高レベル放射能最終処分場を作っている。
それを今オンカロと言っているんです。オンカロって言えば核の最終処分場のことに
なっていますよ。そこに行ってきたんですよ。
私は簡単にねヘルシンキの近くで見れるのかと思ったら大違いでしたね、認識甘かったですね。

そして二時間くらいかけてヘルシンキから、そこで防護服ヘルメット装備をして
400m地下に降りていくわけです。もう入り口から岩盤です。
で、中入っていくのにねエレベーターじゃないんです。エレベーターあるのにあれなんで
乗っていけないのかなと思ったら、あれは物資用のエレベーターで人間は乗らないんだと、
やっぱり車で行くんです。だから車で人数制限、運転手も入れると10人ぐらいしか
乗れないので、7人までしか乗れないって言ってまあ視察団の7人に制限されて
ジグザグにマイクロバスで降りていった。400m地下ですね約。
で、400mの地下に縦横2キロメートルの広場を作っているわけです。縦横2km。
その広場に円筒形の筒を作って核のゴミを入れて埋め込むわけです、何千本か
分からないけども。

400mの地下に2キロ四方の広場にねこれを全部埋めるっていうんだけども
この核のゴミも2機分しか容量がないっていうんですよ。フィンランドは今
4基原発を持っている。そしてこのオンカロ施設は2基分しか核のゴミを処分
できないんだけども、あと2基分の核のゴミはまだ場所は決まってないと言ってます。
住民の反対で。しかも国会でこのオンカロ建設を認められているのは、いかなる
国の核の廃棄物も受け入れないと言う前提で今このオンカロを作っているんだと。

地震がないそういう国ですから、しかも岩盤で。これでもう決まってるのかと、
いやいやまだ最終審査が残っているんだと。何だと。最終審査ってのはね岩盤で
ところどころ水が漏れているところがあるんですよ。ほらあそこに水が漏れてるだろう。
ああそうかあれが水かと。水が漏れているか漏れていないかをまだ完全に調べなきゃ
いけないんだと。10万年持つかどうか調べなきゃならないと。400m掘ればだいたい
水というのは出てきますよね。ところが全部岩盤ですからそんなには出ないだろうと。

振り返って日本を考えて下さいよ。400m掘らないうちに水なんかしょっちゅう
出てきますよ。温泉出てきますよ中には。しかもね2基分のゴミだけでも2キロ四方の
広場ですよ。54基、まあもっとも今4基は廃炉にすること決まってますから。
福島県の5号6号も廃棄処分にするんですか。それにしても10基以上。
最終処分場、どれだけ作らなくきゃいけないんですか。

しかも10万年後なんぞでもう一つ考えなきゃいけないことがあると。何だと。
放射能と言うのは危険なんだけども近寄っちゃいけないんだけども、色がない臭いがない。
近づいてもこれが放射性物質か分からない。それを10万年後の人間が
このオンカロに来てなんだこりゃと思って果たしてほっといてくれるかなと、
そっとしといてくれるかな。人間って言うのは好奇心が強いと、必ず分からないものが
あると掘り出そうとすると、これを絶対掘り出してはいけないというように
どういう文字を使ったらいいか今考えているんだと。

10万年後のね文字って言ったらね、我々いま4、500年の日本語だって
読めないですね、古文。考古学者はねピラミッド発掘してもねあの出てくる文字
読めないでしょう。2000年3000年前。それを1万年2万年じゃないですよ。
10万年後にここに近づいてはいけない掘り出してはいけないという文字をね、
何語にしようかと。国連の使っている英語その他、フィンランド語、しかし字は
変わりますからね。日本語だって最近私なんか付いていけない若者達の言葉ありますよ。
うん、我々若い頃はね、あの人キレるなっていうのはね、頭良かった。
今あの人キレるっていうとね、ちょっとおかしいなって言われちゃう。

最近また驚いたことあったな。この前食事してたらね、「ヤバい」っていうんですよ。
食事ご馳走してたら、数人で。なんだ、なんか悪いの入ってるかって言ったら
いやいや、「ヤバいほどうまい」って言うんですよ。
あれのね、今の世代の人からいうとね「ヤバい」っていうとマズいぞっていうね、
きっと危ないぞ何か変なもの入ってると思いますよ。
「うまい」って表現が「ヤバい」ってなっちゃった。本当にヤバい時代だなと思った。

この言葉をね10万年後を分かるように考えてる、まあ笑い話じゃないですよね。
それが本当に出来るのかと、事故前にも見つからなかったんですよ日本は。
それを必要論者は目処が付かなかったのは問題、それも政治の責任だと、
政治の責任で処分場を早く選定し建設しなさいって言ってるんでしょ。
この方がよほど楽観的で無責任ですよ、繰り返し言うが。そう思いませんか。

総理大臣の権力をどう使うべきか

総理大臣というのは確かに権力強いですよ。しかしね、総理にはねいかに権力が強くてもね、
使える権力、使っても実現できない権力そういう権力もあるはずだと思うんです。
私は今、総理がね決断すれば出来る権力、それが原発ゼロの決断ですよ。
こんなに恵まれた環境ないですよ。総理大臣として。

私総理大臣在任中、郵政民営化、あのときよりも遥かに今環境いいですよ。総理大臣が
権力行使しようとする場合は。あの私が総理になってね、郵政民営化これは必要だと。
あるとき外人記者から質問されましたよ。
小泉さん、あんたは郵政民営化必要だと思って総理になったんでしょうが、
日本は民主主義国家でしょうと。国会もあるんでしょうと、国会の多数派の支持を得ないと
民営化の法案出しても成立しませんねと。しかし今郵政民営化、全員野党が反対
じゃないですかと。自民党与党も反対じゃないですかと。どうして民主主義の日本で
そういうことできるんですかと、質問されたことありますよ。
私はね笑ってねまあ見ててよと。今に分かるからと言って、出来るんだから見てて下さいと。

しかしね、結果的には国会で賛成多数の結論出てくれなかったですね。否決されましたね。
ともかくあの郵政民営化は全政党が反対だったんですよ。2001年の3月、
森総理が退陣表明する自民党の党大会で、時の自民党執行部は郵政国営堅持という
決議をしたんですよ。なぜならば4月に総裁選挙行われたろう、小泉がもし総裁選挙に
立候補したら郵政民営化を主張するに違いない。

私の総裁総理就任一ヶ月前に与党自民党は郵政国営堅持の決議をしたんです。
民営化させないと思うために。そして2005年8月参議院で郵政民営化法案は
否決された、普通これでおしまいですよ。廃案ですよ。
そのとき私は前々この郵政民営化法案、否決されるそういう場合には
小泉内閣不信任と同じだと言ってましたから、これは暗に否決したら解散するぞと言う
そういう方針だったんです。しかしそれを反対派の議員は信用してなかったですね。

それは無理もないんですよ。衆議院解散したって参議院の構成変わらないんですから。
小泉衆議院解散して勝利したって参議院の構成変えられないんだから。
何度でも否決してやるって、あの解散なんて脅しだと、解散なんてできっこないと言って、
こう自民党員の中で結構反対しちゃって否決されちゃった。

ところが私が2005年8月8日、まあ追い込まれ返したんですね。
私は本当は賛成してもらいたかったんですよ。あの八月暑い夏、これまた解散やって
体が持つかなと。確かに勝利を得てもまた参議院で否決されるのかなと、
ましてもうこれは国民に聞いてみるしかないと思ってあの解散は、
8月のあの解散はまさに乾坤一擲、この文字がぴったりの解散だったんです。
やってみなきゃ分からない。一か八か。

ところが国民に聞いてみた、国民が支持してくれて9月17日の投票日、開票日。
開けてみたら郵政民営化の公認候補多数派を占めて勝利を収めた。
そうしたら何度でも否決してやると言っていた参議院の反対派の議員は、
くるっと賛成派に回っちゃったじゃないですか。

それに比べればいまどういう状況ですか。原発。野党は全部原発ゼロに賛成ですよ。
原発ゼロに反対なのは自民党だけじゃないですか。しかし本音を探れば自民党の議員で賛否
どうかと言われれば私は半々だと思ってますね。ゼロ賛成と必要、半々ぐらいじゃないかと。
しかしもしここで安倍総理が原発ゼロにすべて自然を資源にする国家を作ろうと
方針を決めればね、反対派はねもう出来ませんよ反対。
ここで必要論を唱えているマスコミの人もね、意見変わると思いますよ。
総理がゼロに方針を決めれば。反対するのがいても自民党の中でね、正面きって
飽くまでも必要だと原発ゼロはダメだって言う議員はごく限られた者でしょうね。

非常に今、安倍総理としていかに国民から与えられた権力を望ましいあるべき姿に
向かって使うか、こんな運のいい総理いないですよ。使おうと思えば使えるんですよ。
総理が決断すればね、今の原発ゼロ反対論者も黙っちゃいますよ。
自民党の中でも、今言ってる人たち。まあ顔が浮かびますけども。
安倍総理がゼロにしたらね、たてつく議員はほんの一握りの人たちでしょうね。
できるんですよ。しかも国家の目標として、国民は、ほとんどの国民が協力できる
体制が出来るんですよ。

国会、もし自民党がゼロにするという方針を決めれば、野党は今全部賛成なんですから
全政党が賛成ですよ。提案だった野党からいろいろ出てきますよ。
識者から知恵ある人がたくさんでてきますよ。これに向かって進むことが出来るんですよ。
このチャンスを活かす。政治で大事だと思いますよ。

これとは逆にどうしても政治の責任で最終処分場を作るんだと、
住民の反対を押し切れますか。押し切ろうと思って権力を使うよりは、
久しぶりに珍しく国民が国民の多数が総理の思惟に協力しようと言う体制が出来る
こういう状況はね、滅多にないですよ。

しかも壮大な事業じゃないですか。夢のある事業じゃないですか。
自然を資源にする。そういう事業。それに総理の権力を振るうことが出来る。
こんな運のいい総理はいないと思いますよ。
私はそういうことからね、今政治の出番だなと、総理はどのように権力を行使すべきか、
国民がね、こういう方向に望ましい方向に権力を使ってくださいと期待している。
お膳立てをしていてくれるんですよ。これは結局総理の判断力、洞察力の問題だと
思いますけれども。いずれにしてもそういう方向に舵を切ってもらいたいなぁと思います。

まあ今日はこの原発問題ばっかり議論するわけにいかないんですけれどもね、
私は最近つい最近なんですが、河野太郎代議士からね、ある本を送られたんです。
これ読んでおくと参考になりますよと言う本なんです。
なんという本かと思ったらね、アメリカの物理学者エイモリー・ロビンス博士の
著書なんです。「新しい火の創造」。このロビンス博士と言うのは
ロッキーマウンテン研究所の会長をされています。

日本の旭硝子財団からブループラネット賞も受賞されて2009年にTIME誌が選ぶ
世界で最も影響力のある100人に選ばれている人ですよ。個人的な著書じゃないですよ。
ロッキーマウンテン研究所の会長をしているんですから。
その研究所が出版した「新しい火の創造」。物理学者ですからこの専門家集団がね。
「新しい火の創造」呼んでみたところなんとアメリカで脱原発が必要だと説いてるんですね。
しかももっと進んでますよ、2050年には脱原発、脱石油、脱石炭、脱天然ガス。
これも実現できると言う本ですよ。

うかうかしてるとね、日本の先を越してアメリカが脱原発進めるかもしれない。
これは非常に参考になる本だったと思いますね。
是非とも安倍総理はこの大きな権力を久しぶりに多くの国民が協力できる
壮大な事業に使っていただきたいなと心から期待しております。

◆日中関係・日米関係・基地問題◆
2004年APEC日中首脳会談の裏側と靖国参拝

まあ今日はまだ時間ありますので、総理大臣を経験したときのね、
一つ中国問題に関して面白いところがあったんで、ちょっとご披露しますけどね。

2004年にチリでAPECの首脳会議が開かれたんです。毎年環太平洋経済連携協力会議です。
略してAPEC。太平洋に面した21ヶ国の首脳が集まる会議です。毎年私はその会議が
始まる前アメリカの大統領、ロシアの大統領、中国の主席と会議の合間を縫って二者会談。
それから後の首脳との二者会談の予定を決めていたんです。

で、2004年11月チリで行われた首脳会議、アメリカ大統領、ロシア大統領との
首脳会談はもう早く決まったんです。日本を出発する前に。
そろそろ日本を出発する、出発する前に中国の主席と首脳会談を決めておこうと
思ったところが、なかなか返事が来ないもんですから外務省の担当者に催促するようにと。
まあ行く前に二者会談決めていこうと、そうしないと今いろいろ首脳会談の申し込みが
あるから時間も取りにくくなるからということで指示を出して決めましょうと。

ところがね、外務省担当者が困ったことが起こったって帰ってきた。
何だと。中国側は、11月でしたから来年小泉総理が靖国神社に参拝しなければ
首脳会談を行うと言う返事が来たと。どういう返事をしましょうかと言うんですよ。
私はそれではこういう返事をしようと。来年小泉総理は必ず靖国神社に参拝します。
それで首脳会談をお断りするなら仕方がないと。しかし小泉は日中友好論者ですからと。
そういう返事をしろと。これでもうチリでの二者首脳会談は出来ないなと思ったんです。

ところがしばらくすると、返事が来ましたね。早かったですね。
驚きましたと。何驚いてるんだと。OKしました、首脳会談OKしましたと。
ただし、必ず首脳会談の前には記者が小泉総理に聞くだろうと。
来年靖国神社参拝するかとか必ず聞くはずだと。会談する前も会談した後も、
するとは言わないでくれというからああそれはいい。だからあの当時あれから
記者に質問された場合、来年靖国参拝するんですかと記者の諸君から聞かれたとき、
私は適切に判断する、適切に判断すると言っていたでしょう。

今、日中問題なかなか首脳会談できないでいるんですけどね。中国も実は本心では
困ってると思いますよ。首脳会談したくても内政の事情でなかなか出来にくい事情が
あるんでしょうね。私が靖国神社参拝するから中国問題首脳会談できないんだと
日本の一部から大変非難されました。マスメディアの方からも。
私の辞めた後、総理大臣一人も靖国神社参拝しないじゃないですか。
それで日中問題上手く言ってるんですか。首脳会談できているんですか。
そうじゃないことが分かったでしょう。

尖閣問題だって。日本の当たり前の主張をしているだけですよ。
どこの国だって戦没者に対して哀悼の念を総理大臣がその国の施設に
哀悼の意を表するし参拝する。そんなことを批判する首脳はね、中国韓国以外ありませんよ。

ある一部の人がね。小泉は中国韓国が言っても聞かないけれども、アメリカのブッシュ
大統領が靖国参拝するなといえば聞くだろうというような意見をどっかに出してきた。
それを見たから私はブッシュ大統領の会談で、中国問題が話題になったとき
その話をしたんです。日本の一部の人にはね、小泉は中国のいうことは聞かないけれども
アメリカのいうことは聞くだろうと。ブッシュ大統領が靖国参拝するなと言えば
しないと言ってると言ったら、ブッシュ大統領が笑って俺はそんなこと言わないよって
笑ってましたよ。外国の首脳で靖国参拝を批判する首脳は中国韓国以外いませんよ。
どの首脳も。日本の憲法第19条でも思想及び良心の自由はこれを侵してはならないと
明記されているんですよ。批判する方が今でもおかしいと思ってますよ。

だからこれから中国の対応は今の安倍総理の対応でいいんですよ。
首脳会談できなければ、他のレベルの政治家同士の対話、行政官、役所同士の交流、
政治・経済・文化・スポーツ、様々な交流を日本は積極的に求めていると
常にドアは開かれているという対応でいいんですよ。そんなにしてくれしてくれなんて
頼まなくていいんですよ。

お互いいずれ、首脳会談行わないなんて両方に良くないなってのは時間が
来れば分かりますよ。いずれ時がくれば、中国だってあのとき日本の総理の
靖国参拝批判したなとなんと大人気ないまずい対応をしたのかと、
そうして恥ずかしい思いをするときがいずれは来ますよ。
今はそういう状況じゃないと思うから仕方ないんですがね。

日本は中国が重要なのはよく分かっているわけですから。中国と友好関係を保つことが
重要なことは皆分かってるわけですからここまで中国側と様々な分野で協力して
来たんですよ。これからもその方針は堅持していかなきゃならない。

日米同盟と日中関係

一時期ね、日米中正三角形論というのが出てましたよ。自民党の一部にも民主党にも。
日米関係とね日中関係は同等だと。これ私はおかしいことだと思ってましたよ。
まだ民主党政権になる前でしたけどね。ところが民主党政権になってもようやく
日米関係日中関係が正三角形おんなじだと、思わないようになったというのは
これは一つの進歩だと思いますけども。

今、日本一国で安全は確保できない。同盟国としてね、アメリカに替わる国はありますか。
ないですよ。アメリカの影響力は昔よりは落ちたといえども世界で政治的にも経済的にも
軍事的にも日本の同盟国としてアメリカに替えてもいいような国は見当たらない。

そういうことを考えればね、私は総理のときに日米関係が良ければ良いほど
中国始め各国といい関係を築けるんだと言ったら一部からは、アメリカの関係さえ
良ければ後はどうでもいいんだって小泉が言ってるって誤解されましたよ。
歪曲されました。まあ誤解って言うのは知っていながらそういう風に批判のために
言ったんでしょうね。

ようやく分かってきた。民主党政権になって、日米関係悪くなってその分他の国で
補おうという考えを持たない方がいいと。日米関係がいい方が他の国とも良好な関係を
保つことが出来るんだ、これはこれからもそうだと思いますよ。
アメリカは日本を守ってくれるんだろうかという人がいるけれども、
その前に同盟国として日本はアメリカにとっても信用できる国なのかということを
考えた方がいい。日本はアメリカを信用するのか、それは考えてもいいですよ。
同時に同盟国の相手として日本というのはアメリカにとっても同盟国として
信頼に足るそういう国なのかということを常に考えながら日米関係を友好に
保っていかなきゃならんと。総理の時代も、総理退任してからもその考えは変わりませんね。

メガフロート技術と基地問題

私は横須賀出身なんでまだ私が一年生議員の頃でしたかね、40年くらい前でしたか。
横須賀には米軍基地があります。そこでね、メガフロートっていう構想が持ち上がって
積極的にこのメガフロートを作るべきだということを聞いた時期があったんですね。
メガフロートって言うのはね、海上に空港みたいなこう基地みたいな
航空母艦じゃないですけども、いくつか重ね合わで飛行機が離着陸できる、
そういうメガフロートですよ。

しかしそれは当時は40年くらい前ですから、海上といっても杭を埋め立てみたいに
全部埋めなくてもいいんだけども杭を海底に埋めなきゃいかんと。
で費用もかかることでうやむやになっちゃったんです。

私は最近ね、この沖縄基地の負担軽減あるいは日本の安全保障さらに海洋国家日本として
このメガフロートっていうものを真剣に政府が検討した方がいいと思いますね。
しかも航空母艦だったらこれは非常に金がかかります。航空母艦を見ると
僅かな距離で米軍は離着陸、神業ですよね。離陸も着陸も訓練しているわけですよ。
ですから航空母艦を作ろうと思えば非常に莫大な費用がかかるでしょうけれども
それでも移動基地ですね。攻撃用じゃない会場移動基地のメガフロートを
真剣に考える時期が来ているなと思うんです。

沖縄の基地の負担を軽減していかなければならない。なかなか日本本土でも陸地に
そういう基地、離着陸訓練など新たに作ると非常に困難が伴うでしょう。
日本の技術だったらね、航空母艦作るつもりで全くの海上に移動できる
メガフロート基地を作ることが出来ると思うんですね。

現に航空母艦を始めて作ったのは1920年のイギリスですよ。その二年後、
1922年に日本が航空母艦を作ってるんです。今から90年前。今の技術から言えば、
移動式でメガフロートの海上メガフロート基地を作れば、これはいざ災害が
あったときに自衛隊が被災地に救援に赴く場合でも役に立つ、新しい領土が
出来たようなものですよ。

沖縄基地負担軽減にもなりうる。日本は領土が広がったようなものですよ。
移動できれば台風も避けたりできるですから。このメガフロートをやれば
日本は新たな展望が開けるんじゃないでしょうかね。

まあこれは私は、今後日本の安全を考えるためにも基地問題を考えるためにも
有効な手段としてメガフロート移動基地を考える時期に来ているんじゃないか。
日本の安全を確保する面からもこれが出来れば世界も注目しますよ。
海洋国家日本が海を利用してこういう新しいものを作り始めたか。

◆総括◆
技術力を活かしピンチをチャンスに変えてきた日本

さらに原発問題も将来原発ゼロ。またアメリカのロビンス博士が考えたように
脱石油脱石炭まで考えちゃうという、そういう自然を資源にするという
夢のある事業に乗り出したか、そうすればもう日本は世界からモデルとなるような
模範となるような国家としてまた発展できる時期がくるのではないかという。
何事もピンチはチャンスです。

もう過去の歴史をみるとほんとに凄まじいピンチを日本は乗り越えてきましたよ。
関東大震災だってまだ90年前ですよ。東京中心に10万5千人が亡くなったんです。
命を落としたんですよ。あの大震災。その後、立ち直るまもなく昭和恐慌ですよ。
1929年。そして第二次世界大戦に突入しちゃった。東京焼け野原。
広島長崎に原爆を落とされた。なんと300万人以上の国民の命を落としたんです。
命を落としたんですよ。300万人以上ですよ。それでもくじけなかった。

最大の敵アメリカを最大の味方にしてしまって今日の平和国家、世界で一番長生き
できる国家を作り上げたんです。あの敗戦後、夢のような状況ですよ今考えてみれば。
今再びこの大震災のピンチ。どうやってチャンスに替えるか。

あの昭和48年1973年の石油ショック。あれもピンチがあったからこそ今の日本は
環境先進国になったわけです。今度大震災、地震津波というこの震災のピンチを
夢のある事業に、国民のほとんどが望ましい方向に持っていく権力を
今安倍総理は持っているんです。これを望ましい方向に使っていただきたいなぁと。
判断すれば今の自民党議員もほとんど従いますよ。そうすると全政党が
総理の方向に協力できる体制が出来る。しかも望ましい方向ですよ。
夢のある方向ですよ。それをぜひ理解していただきたいなと思っております。

質問の時間を残せという命令ですのでこの辺で終わらせたいと思います。

質疑応答
I安倍首相は原発ゼロへ踏み切れるか、尖閣問題をどう切り抜けるか

Q:倉重篤郎(毎日新聞)
相当質問の時間が残っちゃったんですけど小泉さん、では私からお聞きします。
今非常にこの原発ゼロを言うことの国民にとっての夢のある方向性、
そして総理大臣しかそれをなしえない、総理大臣がすれば必要な方向に、
かつての郵政改革とは比べ物にならない形での大きな求心力をもって
前進するだろうと言う、非常に力強いお話だったんですが、
実際問題として小泉さんがこれだけいろんなところでお話されて
当然首相官邸の安倍さんには耳にはいってることだろうし、
小泉さんは直接お話はされてないということだったんですが。

だが今のところ、これから先もですね、どうも安倍さんがそういう方向に
果たして踏み切るのかどうか。安倍あきえ夫人なら出来るかもしれません。
ただご婦人が決断しても物事はたぶん動かないと思うんですね。
そうなってくると安倍さんの後の別の方が決断しないとそういう流れには
ならないのかとも思ったりもするし、その間に野党の方々がいろいろ動いて
そういう流れを作られるのかなとも思ったりするんですが、
その非常に重要な流れをどうやって結果的に実現していけばいいのか、
小泉さんはその中でどういう役割をこれからも果たしていかれるのか
ということについてお聞きしたいと思います。

A:小泉純一郎
今日の新聞ですけどね、石破幹事長の談話が載っていました。
それは小泉さんの方向と違わないと言う発言なんですよ。
(参考:【役員会後】石破茂幹事長(2013.11.11)
http://www.nicovideo.jp/watch/1384167071
石破会見内容まとめ:原発ゼロの世の中はみんなの理想だとしつつも、
現状は再生エネ比率を上げ原発依存度を下げるという議論、
また世界的には貧困地域の電力として原発が増設される流れの中で
どうプロセスを考えるかという、実際は長期的・現実的な内容。
記事はこれの前の仙台での講演の一部を中心にしたもので
リンクはその記事に対する質問への説明)
ずいぶん違ってきたなと思うんです。方向性は同じだと。

確かにあの自民党の参議院選挙の公約を見ると、再生可能エネルギーに
最大限努力していくと。原発依存度をできるだけ減らしていく。
だから自民党はこれから石破幹事長が音頭を取ってこれからのエネルギー政策、
原発含めて議論しようと、党内ですれば賛否両論でますよ。

そして賛否両論これを総理に上げていけばいいんですよ。必要論者とゼロ論者。
両論併記。総理どちらに判断しますか。安倍さんが判断しやすいような
かんりょうを(言い直し)環境を幹事長が付けていけばそんなに難しいことじゃない。
もう自民党の議員の中にも本心はゼロにした方が望ましいなと思っている議員、
かなりいますから。それは今話し合ったように総理の力は絶大ですから、
総理がゼロにしようといえばそんな反対出ませんね。
そういう環境を作っていことによって、政治的には安倍総理の在任中に
この方向を出した方がいいんじゃないかと思っています。

Q:倉重篤郎(毎日新聞)
小泉さんは政権五年半の中で安倍さんを要職におかれて、ある意味では育ててこられて、
今に安倍さんは至るわけですけど、その安倍さんを最もよく知る政治家の一人として
今のような舵の切り替えは安倍政権時代にありうると思ってよろしいんでしょうか。

A:小泉純一郎
歩む方向に行ってもらいたいと期待しているんですよ。それは総理大臣は
どういう考えを持っているか、その胸中を推し量るというの難しいでしょうし。
しかし私は望ましい方向に総理の権力を使ってもらいたいなと。
そのものの同じ方向に権力を使える状況が、こんな恵まれた時期はないと思っているから
このピンチをチャンスに変える権力を総理大臣は持っているんですよ。
もったいないと、この環境を活かさないのは。分かって欲しいなと思っているんです。

Q:倉重篤郎(毎日新聞)
せっかく日中の話もしてもらったんで靖国参拝の話は一貫してそう仰ってるから
なるほどと思いました。今の安倍さんの姿勢もそれでよろしいと。
ただ尖閣問題はですね、今現場ではある意味じゃ一髪即発的な危険性も秘めた
展開もしているところなんでありますけれども、もし小泉さんが政権担当者であれば
この局面をどう打開したでしょうか。

A:小泉純一郎
それは日本の考えを尖閣に対して変える必要はありませんから。
今の総理みたいに情報を持っているわけではありませんけども
それは毅然として今まで主張を中国側に対してもはっきりと述べるということが
大事だと思いますよ。それで他の交流、首脳会談拒否を中国側がするんだったら
そのほかの交流は出来るだけ多く進めていくという方向でいいと思います。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
それで小泉さん私の質問数は今尽きましたのですが、まだ時間がありますので
会場から1、2問…1問+2問で3問、ということで、これで終わると言うことで
ぜひお答えいただきたいと思います。
会場から一人はこれをぜひ推薦すべきだと言う立場から質問してくださる方が
あったらその方を優先いたします。それから後は女性を一人必ず入れます。
あとはもう一人誰か選びますので手を挙げて下さい。
はい一番早かった方どうぞ。

脱原発というテーマの重要性、安倍首相を動かすには

Q:フジテレビスーパーニュース安藤優子
フジテレビスーパーニュース安藤裕子です。
小泉さん、私は推進論者でもなんでもなく中立の立場でお聞きしたいんですけれども、
先ほど郵政民営化の時よりもうんと恵まれていると言う風なお話がありました。
それから郵政民営化には小泉総理がどれだけ命をかけたかということも
分かっているつもりですが、今回の脱原発それは小泉さんにとって
郵政民営化と同等ぐらい命をかける本気なテーマなんでしょうか、
だとすれば先ほども質問にありましたけれども、安倍政権に舵をきらせるために
具体的にどのようなことをこれからおやりになっていくという風にお考えでしょうか。
お答え下さい、お願いします。

A:小泉純一郎
それはこの原発ゼロにして自然を資源にエネルギー政策を転換しようと言うのは
郵政民営化どころの比じゃないですよ。壮大な夢のある大きな事業ですよ。
で、どういう風に実現していけばいいかというのは今党内で議論させれば
そんなに推進論者が多いとは限らない。ゼロ論者に賛同者もいるのは
わかってくると思いますよ。そしてどっちの両論でも総理が決めた方に従うんですよ。

今原発ゼロの声がなかなか自民党内で上がってこないと言うのは総理が必要だと
言っているからです。総理がゼロにすると言えば全く変わっちゃいますよ。
最終的には国民ですね。世論と言うのは軽視できないですね。
世論に抗してやらなきゃならないこともある。しかし大きな底流となっている
根強い世論と言うのをどう読むかと言うのも政治家として大事だと思うんですね。

国会だけで決めてあの郵政民営化は廃案にした。しかし選挙で国民が支持すると
国会議員も変わっちゃうんですよ。最終的に総理の権力と言うのは国民から
与えられているんですから、その国民の声というものはですね、
総理も聞かざるを得ない時期が来ると思います。諦めちゃいけないんですよ。
私は今いろいろの人から新党を考えたらどうかとか、原発ゼロ論展開している人も
他にいるんだらよく連携したらどうじゃないかということを言われるんですが、
それはそれぞれの立場でやった方がいいんじゃないかと。

そしてこの主張を展開するときには誰が賛成しているから誰が反対しているからと
いうよりもやっぱり止むに止まれぬ気持ちがないと公に自分の主張を展開できないですよ。
一人でもやるという気持ちでやらないとダメだと、その連携を呼びかけている人には
言ってるんです。
政党にしても個人にしてもあの人が反対だから、そう考えないで、他全部
自分の意見は違っても自分が本当にこう思うんだったらということを展開していかないと
なかなか世の中っていうのは動かないよと。ですから国民が本当に原発ゼロの社会を
望むんだったら、国民の皆さんもそういう気持ちでもって運動していくなら
必ず政権に届くはずですよ。

自由民主党というのは国民世論にかなり敏感な政党ですよ。だから政権を長く担当
したんです。一部の支持があれば当選できるという政党じゃないんです。
議員も。国民の過半数の指示がないと議員になれない、過半数の支持を得ないと
政権を担当できないんだということをよく分かっている政党が自民党だと思うんです。
だから国民の声が本当に原発ゼロが望ましいなというのがだんだんだんだん政権に
届いていけば、総理だって気づいてくれると思うんですよ。
長いようでそれが民主主義として必要じゃないんでしょうか。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
はい、原発推進の立場からどなたか一人。どうですか。はいどうぞ。

Q:遠藤記者
読売新聞(聞き取りにくく要確認)の遠藤と申します。
原発推進の立場ではありますけれども、質問はですね、
原発ゼロというのを方針として今出すというのは分かるんですけれども、
そのゼロにする時期というのはどうお考えなのでしょうか。
その時期についてはですね、即時ゼロと言っている人もいれば30年ごと言っている
野党も同じじゃないんです考え方は。
これについては小泉さんはどうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

A:小泉純一郎
私は即ゼロだと思いますね。その方が企業も国民も、様々な専門家も準備ができる。
安全なものを再稼動させると言っていますけど、再稼動するにしてもそんなに多く
再稼動できないでしょう。そうしたら代替エネルギーで出来ると思いますね。
しかも再稼動するとまた核のゴミが増えていくわけですよ。
再稼動させるといったって最終処分場見つからないんでしょう。
だったらすぐゼロにした方がいいと思いますよ。

そして原発に変わる代替エネルギーに対して原発に当てた費用を回した方が
日本の企業ならそういう原発に替わるエネルギー源は発明し開発していきますよ。
だから早いほうがいいと思いますよ。今ゼロなんですから。
これをずっと再稼動も中止すると。早くゼロにすると。しかし何年かかって
廃炉も実現するか、これも難しいですから。そういう点は将来ゼロにする
という方向でやった方が中間貯蔵施設を作るにしても理解を得やすい。
だから私は早いほうがいいと思います。今もゼロですから。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
それはもちろん核燃料サイクルも含めて?

A:小泉純一郎
もちろん。核燃料サイクルも含めです。その手当てをするのも早いほうがいいでしょう。
進んでいって止めろというよりも。どうせ将来止めるんだったら今止めた方が
いいでしょう。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
最後の質問です。(挙手)はい一番元気いいからどうぞ。

沖縄の基地移設問題、メガフロートの可能性はいつ頃の話か
Q:島(琉球新報)

今日は質問の機会を与えていただきありがとうございます。
琉球新報の島と申します。沖縄から参りました。
今日のお話で小泉さんが普天間飛行場の移設先のお話という風に受け止めたんですが、
メガフロートのお話をなさいました。沖縄では鳩山政権のときに最低でも県外という
発言をした後から政治潮流が変わりまして、現時点では県議会の与野党全会一致で
県内移設には反対という表明をしております。

今のお話でメガフロートの沖縄の負担軽減にも役立つということでしたが、
小泉さんが総理の時代に実は今の辺野古の沿岸なり浅瀬という話があった際に
今の現状の案がだいたい決まりました。
その中でいま今日の話を聞いているとちょっと全く違ってきたなと
私は思ったんですけれども、小泉さん今の沖縄の負担軽減の中で
名護市の辺野古への移設案ということについてどう思われているのか。

それから今のメガフロートの話というのをもう少し詳しく聞かせていただければ
大変ありがたいです。お願いします。

A:小泉純一郎
名護市の基地の問題、あれは埋め立てがもっと沖合いに出せというのと、
できるだけ埋め立てを少なくしてやろういうので、私は埋め立て少ない方が
いいということであそこに決めて、今も政府としてなんとか理解を得るために
協力中ですからこれはできれば進めてもらった方がいいなと。

で、メガフロートは将来の問題です。これは十分技術的にメガフロート、
航空母艦を作ろうと思えばメガフロート移動基地というのはできると思いますよ。
これは今将来真剣に防衛庁だけじゃなくて様々なそういうメガフロートを
やってきた企業がありますから、そういう専門家を集めて将来どういうメガフロート
移動基地みたいなのができるかということをこれから検討した方がいいと思います。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
普天間に替わる政策ではないということですね。

A:小泉純一郎
それは今はそうです。将来の国全体の問題として海上も有効に活用しようと。
で、基地というものをそういうもので、できるだけ国民に理解を得やすいものを
作るということを考えた方がいいということであります。

ではお約束の時間が過ぎました。小泉さん、まだ言い足りないことがあったら一言、
よろしいですか。

(結構ですという仕草)

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
揮毫していただきました。小泉さんが来られるのはこれで10回目なんですね。
8年前に総理大臣のときに来られて以来、こちらには来ていただけませんでしたけれども
今日はこれだけの大勢の方が来られた中で小泉さんが書いていただいたのはですね、
なかなか達筆でございます。先ほど私読めなかったんですね。
また今読んでも読めないんです。小泉さんちょっと解説してください。




A:小泉純一郎

百考は一行に如かずといってね、百考えるのも一つの行動には及ばないと、
これはね百聞は一見に如かず、百見は一考に如かず、百考は一行に如かず。
三つの言葉、皆に一番知られているのは百聞は一見に如かずなんです。
その後に百見、百見るのは一つの考えには及ばない、
百考えるのも一つの行動には及ばない、これ皆三つ一緒になっているのを
百聞は一見に如かずそれだけ使われているだけなんです。
別に新しい言葉じゃないんです。

司会:倉重篤郎(毎日新聞)
では記者クラブからお礼のボールペンを差し上げて今日の会を終わりたいと思います。
では拍手していただいた後ですね、小泉さんが出られるまでちょっとすいません着席下さい。
ではご苦労様でしたありがとうございました。
posted by ガンダルフ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会・経済
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